Case

導入事例

北九州市とともに実現した
「地域に根ざすスマート農業モデル」

持続可能な産地づくりを支える伴走支援

北九州市が抱える、労働力不足・技術継承の停滞・需要変動への対応など複雑な農業課題。
IIJは行政・生産者・JA・農事センターなど地域の関係者と一体となり、課題の可視化から技術選定、実証、仕組みづくりまで一貫して伴走しました。
その取り組みは、地域の実情を反映した「北九州モデル」として結実し、産地全体の持続力と生産性の向上につながっています。

福岡県北九州市様

福岡県北部に位置する北九州市は、北九州工業地域の中核を担い、九州の玄関口として栄えた政令指定都市である。
市域の4割を占める森林に加え、北は玄界灘、東は周防灘に面するなど豊かな自然に囲まれており、野菜類、水稲、畜産など、地域の特性を生かした様々な農林畜産物が生産されている。中でも冬キャベツの作付け面積は九州一であり、 たけのこや春菊、トマトについても県内有数の産地である。生産現場が大消費地である都市部に近く、地産地消が盛んな都市近郊型農業がおこなわれている。

総面積
水田
畑地
49,169ha
1,750ha
388ha
総人口 939,029人
農家戸数 2,023戸
作付上位品目 水稲(810 ha)
キャベツ(109 ha)
トマト(21ha)
一般会計規模
農林水產業費
5,960億円
28.6億円
地域区分 都市的地域、中間農業地域
・ 令和4年度 農林水産省統計データ:https://www.machimura.mafi.go.jp/machi/
・ 令和4年度北九州市 財政状況資料集に基づく

地域の課題に寄り添い、対話から導いた“北九州モデル”

北九州市のスマート農業は、まず生産者や有識者との対話+P48によって、地域が抱える課題を丁寧に可視化することからスタートしました。スマート農業ミーティングでの意見交換や現場ヒアリングを通じて、労働力不足や出荷計画の不確実性など複雑な課題を整理。IIJは市と伴走しながら、それらに最適なICTの活用方法を検討し、地域特性に合った「北九州モデル」を設計しました。この“課題起点のアプローチ”が、持続可能なスマート農業の基盤となっています。

スマート農業ミーティング

地域人材を育て、シェアし、産地全体で活かす「農作業サポーター」の仕組みづくり

人手不足が深刻な北九州市では、市民を対象に農作業サポーターを育成し、地域で共有できる仕組みを整備した。座学・圃場実習・動画教材など体系的な教育により、すぐに現場で活躍できる人材を育成。さらにスキル・経験をデータベース化することで、生産者が必要なタイミングで適切な人材へアクセスできる体制を構築した。

農作業サポーターの育成
北九州市農事センターで講習を実施。品目ごとにコンテンツを準備し、作物ごとの栽培管理を網羅。

農作業サポーターの作業履歴データ化
講義実習や現場での作業記録を管理するなどスキルシートとして活用

売れ行きを“見える化”し、生産と販売を最適化するPOSデータ活用

これまで生産者には共有されていなかった直売所の販売データを可視化し、生産・出荷計画に活用できる仕組みを構築しました。単価・販売数量・月次動向などを自動集計し、帳票化することで、生産者は需要に合わせた作付け判断や値付けが可能に。データに基づく意思決定が進み、地産地消を支える都市近郊型農業の強化に寄与しました。

直売所データの帳票化
POSデータを集計して店舗における品目ごとの売上や単価を見える化。

圃場環境を常時モニタリングし、栽培管理と出荷精度を高めるセンサー活用

LoRaWAN®ゲートウェイと各種センサーを圃場に設置し、温度・湿度・CO₂・照度・土壌水分などを30分ごとに取得。生産者はスマートフォンやPCからリアルタイムに圃場状況を確認でき、栽培管理や人材投入の適正化に活用しました。地上部・地下部の一体的な環境把握により、収穫タイミングの精度向上やリスクの早期検知にもつながっています。

【用途の種類】

  • 施設園芸
  • 露地

LoRaWAN®ゲートウェイ
市内にLoRaWAN®通信網を整備

環境モニタリングセンサー
温湿度、CO2濃度、日射量、土壌水分を測定し、温度管理や水管理に活用

北九州市とともに実現した
「地域に根ざすスマート農業モデル」